スマホに突然「+1」から始まる見知らぬ番号から着信があったとき、あなたはどうしますか?実はこれ、アメリカやカナダからの国際電話を装った詐欺の可能性が高いんです。最近この手口による被害が急増しており、特殊詐欺に使用される国際電話番号の中でも+1からの着信が特に目立っている状況なんです。そこで今回は、+1から始まる国際電話詐欺の実態と効果的な対処方法について詳しく調べてみました!
+1から始まる電話の正体とは
+1から始まる電話番号は、本来アメリカ合衆国とカナダで使用される正規の国際電話番号です。しかし近年、詐欺グループがこの番号を悪用するケースが急激に増えています。トビラシステムズの調査によると、2024年12月に確認された末尾が「0110」の国際電話番号からの着信件数は、増加前の6月から200倍超に増加しました。
詐欺グループは+1の後に続く市外局番部分を偽装することも多く、実際には割り当てられていない番号を使用するケースも確認されています。特に+1855や+1800などのトールフリー番号を装った詐欺も頻発しており、「無料電話だから安心」と思わせて折り返し電話をかけさせる狡猾な手口が使われているんです。
末尾「0110」の番号は特に注意
特に警戒すべきは、末尾が「0110」で終わる番号です。この番号は主に国内の警察署で多用されていることから、詐欺グループが警察を装うために意図的に使用している可能性が高いとされています。
巧妙化する詐欺手口の実態
+1から始まる国際電話を使った詐欺には、主に2つの手口があります。まず一つ目は架空料金請求詐欺で、「NTTファイナンス」などの大手企業を名乗り、「サイト料金29万円が未納」などと虚偽の請求を行うパターンです。この手口では、コンビニでの電子マネー購入を指示されることが多く、被害者は焦って指示に従ってしまいがちです。
二つ目は国際ワン切り詐欺で、+1番号から短時間の着信を残し、折り返し電話をかけさせて高額な国際通話料を請求する手口です。着信履歴を見ると「重要な連絡かもしれない」と思って折り返してしまう人が多いのですが、これこそが詐欺グループの狙いなんです。
警察をかたる新手の詐欺
最近特に目立つのが、警察をかたるオレオレ詐欺かもしれません。「警視庁捜査二課の警察官を名乗る人物から、銀行のキャッシュカードがマネーロンダリングに使われているため、捜査への協力のため大阪府警に出頭するように言われた」という事例や、「あなたに出頭命令が出ている。いますぐ身分証を持って出頭してください」などと不安を煽る内容が報告されています。
ネット上では「+1から始まる番号でも、本当に緊急の連絡だったらどうしよう」という心配の声もあります。確かに、海外にいる家族や友人からの連絡の可能性もゼロではありません。でも、本当に重要な連絡なら、メールやSNSなど他の方法でも連絡が来るはずです。
うっかり出てしまった場合の対処法
もし+1から始まる身に覚えのない着信に出てしまった場合、まず大切なのは冷静になることです。電話に出たからといって、すぐに料金が発生するわけではありません。日本の携帯キャリアで契約している電話番号に国際電話がかかってきた場合、日本国内で電話に出ても通話料金は発生しないんです。
ただし、以下の点には注意が必要です。まず、個人情報は絶対に教えないこと。名前、住所、生年月日、クレジットカード情報などは一切伝えてはいけません。また、自動音声で「1を押してください」などと指示されても、絶対に従わないでください。
実際に私も去年の夏頃、+1から始まる番号から着信があり、うっかり出てしまったことがあります。相手は片言の日本語で「お客様の携帯電話が2時間後に停止される」と言ってきました。最初は驚きましたが(心臓がバクバクしちゃいました)、冷静になって「間違い電話です」とだけ伝えてすぐに切断したんです。後で調べてみると、まさに詐欺の手口だったという話でした。
折り返し電話は絶対にNG
着信履歴があっても、折り返し電話は絶対にかけないでください。国際電話に折り返すと、高額な通話料金を請求される可能性があります。また、折り返しをすることで「生きている番号」として認識され、さらなる迷惑電話のターゲットになってしまうリスクもあります。
効果的な予防策と設定方法
+1詐欺電話を防ぐには、事前の設定が重要です。最も効果的なのは、携帯電話のキャリアが提供する迷惑電話対策サービスの利用です。各キャリアでは、国際電話の着信を一括でブロックする機能を提供しています。
また、国際電話の利用休止申請も有効な手段です。普段、海外に住む方と固定電話で通話をすることがない方は、国際電話の利用休止を申し込むことができます。申し込みはWebサイトから簡単に行え、電話での申し込みも可能です。
スマホの設定でブロック
スマートフォンの設定でも、ある程度の対策は可能です。「不明な発信者を消音」機能や、迷惑電話対策アプリの導入が効果的です。ただし、これらの設定には注意点もあります。+1は正規の国番号のため、完全拒否すると必要な国際電話も受けられなくなってしまいます。
そのため、設定前には海外の友人や家族との連絡手段を確認しておくことをおすすめします。LINEやSkypeなどのインターネット通話サービスを使えば、国際電話をブロックしても連絡を取ることができますからね。
被害に遭った場合の相談先
もし+1詐欺電話の被害に遭ってしまった場合、速やかに相談することが重要です。2025年6月10日に、総務省が「迷惑電話対策相談センター」(通称「でんわんセンター」)を開設しました。ここでは、国際電話による不審な着信・詐欺被害に関する情報提供やご相談を受け付けています。
また、金銭的な被害が発生した場合は、最寄りの警察署への届出も必要です。消費生活センターへの相談も有効で、専門家からのアドバイスを受けることができます。通信キャリアへの連絡も忘れずに行いましょう。
「被害に遭ったなんて恥ずかしくて相談できない」という声もネット上では見かけますが、実際には多くの人が同様の被害に遭っています。恥ずかしがらずに相談することで、被害の拡大を防ぐことができるんです。
常に進化する詐欺手口への対応
+1から始まる国際電話詐欺は、技術の進歩とともに手口も巧妙化しています。最新の手口では、AIを使った自動音声や、実在する企業の名前を巧みに使い分けるなど、より巧妙な方法が使われています。そのため、常に最新の情報を確認し、警戒心を持ち続けることが重要です。
正直なところ、完璧な対策というものは存在しません。しかし、基本的な対処法を知っておけば、被害を最小限に抑えることは可能です。身に覚えのない国際電話には出ない、折り返さない、個人情報は教えない、この3つの原則を守るだけでも、大きな効果があります。
そういえば、最近は国際電話だけでなく、メールやSMSを使った詐欺も増えてるみたいですね。でも話を戻すと、詐欺の手口は常に進化していますが、私たちも対策を更新していけば十分に対応できます。まずは今回説明した基本的な対策から始めて、安全なスマホライフを送りましょう。
※この記事の情報は2025年7月時点のものです。詐欺の手口や対策は時期により変更される可能性があります。最新の設定方法や被害情報については、各キャリアの公式サイトや警察庁の発表を定期的にチェックすることをおすすめします。